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健康管理

栄養士さんのワンポイントアドバイス

第六回『食中毒細菌やウイルスについて』
皆さんこんにちは。夏休みが終わり新学期になりましたね。まだまだ暑い日が続きますから、引き続き熱中症や食中毒には気を付けていきましょう!

 今回は、先に述べました食中毒についてお話しします。先日食中毒についての講習会に出席して参りました。今年度(平成29年4月1日)から福岡県では生産から販売に至る一貫した食品の安全安心確保対策の一層の推進を図るため、関係者全体で取り組むことができるよう、理念や関係者等の責務・役割を明確にした「福岡県食品の安全・安心の確保に関する条例」が施行されました。
 ところで食中毒とは一体どんなものなのでしょうか?食中毒とは「食中毒細菌やウイルス、有害・有毒な物質等が含まれた食品等を食べて起こる人の健康被害」をいい、一般に嘔気・嘔吐・腹痛・下痢・発熱・麻痺・発疹等の症状を呈します。

 全国で見る最近の食中毒事件を挙げると、2月に他施設給食で使用された「刻み海苔」からノロウイルスが検出され、5月には飲食店で提供された「鶏肉の寿司」からカンピロバクター食中毒が発生しました。記憶に新しいニュースと言えば惣菜店のポテトサラダから腸管出血性大腸菌(O-157)が発生し、女児が死亡する事件が起こりました。ノロウイルスやカンピロバクターは全国でも発生件数トップの食中毒です。腸管出血性大腸菌(O-157)については発生件数こそ多くありませんが、食中毒になると激しい腹痛で始まり下血がみられ、体力のない子供や高齢者では溶血性尿毒症症候群(HUS)を引き起こし命に関わる非常に恐ろしい食中毒です。
食中毒の発生状況をみると気温・湿度ともに高い6~9月に多く、患者数では気温の寒い12月と比較的涼しい5月に多く発生していました。このため食中毒は暑い夏の時期だけではなく、寒い冬の季節でも起こっており季節を問わず注意が必要といえます。

では食中毒を防ぐにはどのようにすればよいのでしょうか?食中毒は材料や食品に食中毒原因菌が付着し、食品中で増殖(一部は増殖過程のないものもあるが、少量の菌で発症させることができる)して、それを食べることで食中毒になります。食中毒菌は栄養分・水分豊富な食品中で、至適温度10~46℃と常温で容易に増殖し、時間の経過ともに菌の数は増えていきます。食中毒を防ぐには菌を付けない(食材の洗浄や調理器具の洗浄)・増やさない(調理後すぐに食べるか冷蔵冷凍での保管)・やっつける(中心部分まで十分に加熱する)ことが重要です。これを食中毒予防の三原則といいます。
外食産業の盛んな日本では多様な食事機会があります。もちろん給食室でもこの三原則に従い、これからも皆さんに安全安心な給食を提供できるよう注意を払っていきますから、幼稚園のお友達の皆さんはしっかり食事をとって風邪やバイ菌に負けない元気な体を作っていきましょうね‼

                           栄養士 花田
                        
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