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栄養士さんのワンポイントアドバイス

第7回『新米と彼岸花』
実りの秋。たわわに実った稲の穂が黄金に輝き、それに彼岸花の赤が色をそえています。
 今年の新米の作柄は日本全体で「良からやや良」となっており、平年並み以上の収穫があるようです。ただ、九州・四国地方は、長雨と日照不足で品質への影響が懸念されています。
 平成11年の東日本大震災をきっかけに米価が高騰し、米の消費が大きく減少しました。それに加え、平成12年・13年は米が農作基調だったので、米の供給過敏感がすすんでいます。食の欧米化(パンの消費が増える)や、高齢化が進み米を食べる人も量も減っています。これらが重なり、今年の新米の価格は昨年より1割以上も下がり、近年にない低水準となっています。
 ただ、米の価格が下がったからと言って、米を食べる量が増えるかと言えばそうでもないようです。
 次に、彼岸花とは、新米がとれる頃に田んぼの堤防に咲きほこっている花です。秋の彼岸頃から開花することに由来するようですが、別の説では、これを食べたら「彼岸(死)」しかないとも言われています。
 でも、実は彼岸花には3つの効用があります。
 第一に、彼岸花の球根の中にはリコリンという強い毒の成分が入っています。これは、ネズミやモグラから球根を守るために有毒成分を持つようになったようです。この彼岸花が田んぼのあぜ道にあれば、小動物からの害が少なくなるわけですね。
 第二に、彼岸花の球根にはデンプンが含まれています。そのままでは毒性が強いですが、すりつぶして、充分に水にさらし毒抜きすることで、食用となります。昔は飢饉(ききん)に備えて田んぼのあぜ道に植えられたようです。
 第三に、民間では生の球根をすりおろして薬として用いたとも言われています。
 昔の人にとっては、彼岸花は万能植物だったようですね。
 天からの恵みと、昔の人の知恵に感謝して、この収穫の季節を楽しみたいものです。
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