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栄養士さんのワンポイントアドバイス

第11回 『節分と大豆』
 節分はもともとは季節の始まりの日(立春・立夏・立秋・立冬)の前日のことでしたが、江戸時代以降は立春の日の前日(2月3日)をさすようになりました。
 節分では「福は内、鬼は外」と大きな声をだしながら、煎った大豆(福豆)をまきます。古来より、季節の変わり目には邪気(鬼)が生じるとされています。特に、一年の始まりの春(立春)にする豆まきには、これから始まる一年が災いや不幸のないようにとの願いがこめられています。
 そもそも「豆」には「魔(ま)が滅(めっ)する」、すなわち魔(鬼)がいなくなるということや、「魔(ま)目(め)」魔(鬼)の目に豆をなげつけるという意味があります。
 豆まきに使う豆(大豆)には煎った豆を使います。これは「射る」という言葉につながり、火で大豆を煎ることで(悪の)芽が出ないで、鬼を封じこめたいとする思いに結がります。
 そして、豆まきの後は自分の年の数の豆を食べて鬼退治が終了し、一年の無病息災を願います。
 ところで、「豆」については「鬼の手から大豆をもらう」ということわざもあります。これは、豆は欲しいが鬼の手からもらうのは不気味な感じがして嫌だなぁ…うまい話の裏には危険が潜んでいるかもしれないということです。みなさんも気をつけましょうね!
 昔から大豆は日本人の食生活を支えている大切な食べものです。加工技術の発達により、形を変えて日本の食生活に深くかかわり、たくさんの加工品があります。例えば、味噌、しょうゆ、納豆、豆腐、油あげ、きな粉、まだまだたくさんあります。「原材料の一部に大豆を含む」という表示のある食品まで入れると、ケーキ、チョコレート、アイスクリーム、キャンディなどのお菓子もあります。これは大豆に含まれる「レシチン」が乳化剤(大豆由来)として利用されているからです。大豆の姿は見えなくても、いろいろな形で大豆を食べていることになります。
 他にも、石油の代わりに大豆油を主成分とするダイズインクもあり、私達の生活に欠かせない食品のひとつです。
 豆の嫌いな子どもも多いですが、しっかり豆を食べて心の中の鬼を退治し、元気なからだになりましょう!

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