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健康管理

栄養士さんのワンポイントアドバイス

第10回 『年神様』
お正月を迎えるための準備が着々と進められるなか、江戸時代の町人の間で始まったと言われる「年越しそば」を召し上がりましたか?そばのように細く長く長寿でありますようにという願いをこめて食べられるようになったと言われています。また、昔金細工職人が仕事場に飛び散った金粉を集めるときに、そば粉を練っただんごを使ったということから「金を集める」という縁起のよい意味もあります。
 では、「おせち料理」はどうでしょうか。おせち料理は、年神様へのお供え料理であり、また子孫繁栄、五穀豊壌、家族の幸せを願う縁起ものの料理です。例えば、「紅白かまぼこ」は日の出を表わし「昆布巻き」はよろこぶという縁起をかついでいます。「伊達巻」は書物や絵巻物に似ているところから学問の向上、「栗きんとん」は黄金色に輝く財宝、「黒豆」はまめに働けますように健康を、そして「数の子」は子宝と子孫繁栄を願うものです。このように、おせち料理の中には、たくさんの願いがこめられています。
 おせち料理をいただく箸は「祝い箸」といって、両端が細くなっているものが使われます。これは、一方を年神様、もう一方を私達が使い、ともに食事をいただくという意味があります。
 また、祝い箸は、生命力が強く厄を追い払うといわれている柳でつくることが良いとされます。祝い箸の袋にはひとり一人の名前を書き、使ったら自分で清めて(洗って)、松の内(1月7日)まで同じ箸を使うならわしがあります。
 今の子どもたちは「お年玉=お金」を楽しみにしています。しかし、もともとお年玉は年神様に供えた餅を下ろして、子ども達に分け与えたのが始まりです。かつて餅は特別な日にしか食べられないご馳走だったのです。年神様にお供えした餅をいただいて、一年間元気に過ごす新たな力をいただくことになったのです。
 お正月は親戚や友人、知人が集まり、食べたり飲んだりします。年神様だけではなく、人と人とのコミュニケーションも大切にし、新しい一年の始まりとしたいものです。
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