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栄養士さんのワンポイントアドバイス

第9回 栄養士さんのつぶやき 「おせち料理」

「おせち料理」
 いよいよ最終月・12月になりました。今年の締めくくりと新しい年を迎えるための準備で忙しくなりますね。
 そこで今月は「おせち料理」についてです。おせち料理の「節」は、季節の変わり目を示す言葉で、その変わり目となる日が「節日」です。その日に神様にお供えしたり、食べたりした特別な料理が、今では正月料理を意味するようになりました。節日に行われていた五節句は、現代でいう1月7日人日・3月3日上巳ひな祭り・5月5日端午・7月7日七夕・9月9日重陽です。
 元日には年神様をお迎えし、新しい年の豊年と家族の平安を祈ります。おせち料理は神様へのお供物として作り、大晦日にお供えします。年が明けると、家族全員で神様からのおさがりをいただきます。
 神様にお供物をして祈りを捧げる三が日は家に神様がいるので、火の神(荒神)を怒らせないためにも、炊事をしなくて済むように日持ちのよい料理を準備します。また、日頃忙しい女性に三が日は休んでもらおうという意味もあります。
 おせち料理は重箱に詰めます。これはめでたさを重ねるという意味で、縁起をかつぐためです。家風や地方によって違いがありますが、五段重が基本です。一の重は「祝い肴」黒豆・数の子・ごまめ等を入れます。二の重は「口取り」きんとん・かまぼこ等を入れます。三の重は「焼き物」海の幸、与の重は「煮物」山の幸を入れます(四は忌み数字なので使いません)。五の重は控えの重で空のことが多いです。さらに富が増え繁栄し、まだまだ幸せが詰められる余地があることを表します。
 おせち料理に詰められる料理には、それぞれ意味がこめられています。黒豆はマメに暮らせる、数の子は子孫繁栄、田作りは豊作祈願、海老は腰が曲がるまで長寿、鯛はメデタイ、昆布はヨロコブ、伊達巻きは巻き物の形が書物に似ているので学問成就、きんとんは黄金色なので財産や富を得る、かまぼこの半月形は日の出に似ているので、新しい門出にふさわしいなど、今の時代においても「なるほど!」とうなずけることばかりです。
 大勢の方が集まるお正月です。たくさんの思い出ができますように、どうぞ佳いお年をお迎えください。

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