教育改革の推進

健康管理

栄養士さんのワンポイントアドバイス

第9回 『乾物と干物』
 師が走るほど忙しいと言われる12月です。
その上、新年を迎えるための準備にも追われる季節になりますね。
 あまり意識してないかもしれませんが、私達の身近には乾物食品がたくさんあります。
椎茸、凍豆腐、切干大根、豆類、ひじき、わかめ、昆布、いりこ、干うどん、素麺、スパゲッティ、晒あん粉、ごま、ふ、寒天、他まだまだたくさんあります。
 この中で、「乾物」は食用の植物を乾燥させたもの、「干物」は魚や貝類を干したものを示します。
 食品を天日で乾燥するだけで、目に見えてカサは減るのに、見えないところで栄養価が増えています。また、旨みや香りもぐっとアップしています。
 例えば、椎茸は干すことによりビタミンDや食物繊維が増します。ビタミンDは、カルシウムの吸収を助け骨を丈夫にします。生で食べる時でも、干椎茸を使う時でも、もし時間があれば太陽の光に当てると、ビタミンDもアップする上、味のしみこみもよくなります。
 切干大根は、独特な甘み、風味、歯ごたえがよくなります。栄養面ではカルシウム(イライラを鎮める)・カリウム(肝臓の老廃物の排泄を助ける)・鉄分(貧血予防)・食物繊維(コレステロールを体外に排出する、便秘改善)などが豊富になります。
 凍豆腐は、高野豆腐とも呼ばれます。保存性が非常に高く、消化もいいものです。特に、鉄分や骨粗鬆症を防ぐイソフラボンが豊富です。更に、女性は閉経後に女性ホルモンが激減するので、若いうから丈夫な骨を作っておきたいものです。
 柿はもともと栄養価の高い果物で、「柿が赤くなると医者が青くなる」と言われる程です。干し柿にすることにより、ビタミンAが生柿の2倍になり、食物繊維も豊富です。表面の白い粉は、果実から染み出たぶどう糖と果糖が乾いたもので、甘くおいしくなります。
 太陽と風の恵みにより、雑菌・消毒効果が高まった乾物は、保存性が高く、生のときよりも小さく軽くなり保存に場所をとらず、買い物も楽になります。食材の旬を保存しているうえ、皮をむいたり、切るなどの下処理をしてあるので、ゴミが出なくて、使いたい分だけ使える、冷蔵庫もいらないと言う利点もたくさんあります。
 今では乾物を「時代遅れの食品」と感じる方も多いかもしれません。しかし、栄養的にも機能的にもすぐれた乾物を見直してみませんか。皆さんの食卓にも必ず「乾物」がありますように!
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