教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
2018年8月『熱中症予防について』
皆様、暑い中、お元気でお過ごしでしょうか?暑さからお子さんやご家族を守る事について今回は考えていきましょう。
【熱中症予防について】
(1)熱中症予防のための生活習慣について
この様に暑くなり過ぎてからでは遅いですが、[暑熱順化](しょねつじゅんか)できる様に、6月の梅雨頃から徐々に体が暑さに慣れる事が必要です。
そして、バランスの取れた食事により必要なカロリーを十分摂取する事。アレルギーなどで、どうしてもバランスが崩れやすくなる方は、主治医と三大栄養素を始め、ビタミンやミネラルの摂取方法についてご相談下さい。
毎日の質の良い睡眠は大切です。長さではなく、就眠後3時間の質の良い睡眠が大切と言われております。熱帯夜や、部屋が熱せられて夜でも室温が下がらない場合は、質の良い睡眠ができるエアコンの使用方法を試して下さい。
(2)暑さ指数(WBGT)の把握による行動計画(http://www.wbgt.env.go.jp/)
屋外の場合は以下の計算式で、屋内の場合は乾球温度なしで黒球温度×0.3になります。
湿球温度×0.7(湿度の影響)+黒球温度×0.2(輻射熱の影響)+乾球温度×0.1(外気温)
環境省のHP(↗)に、暑さ指数の経時的変化と今後の予測が掲載されています。WBGT 31℃以上で危険、同28~31℃で厳重警戒となっています。
帽子の着用、日傘の使用、通気性が良く乾きやすい素材の服装にして体に熱をためこまない様に心掛けましょう。暑い環境で一定時間作業する場合は、30分前までに水分補給をしておきましょう。作業開始後は、20~30分おきに水分、塩分、糖分のバランスがとれた経口補水液(OS-1またはアクアサポートなど)を適量ずつ飲みましょう。
めまい、立ちくらみ、大量の発汗、こむら返りなどから始まり(ここで休憩した方が良いです)、頭痛、嘔気・嘔吐、脱力、倦怠感に症状が進んだ場合は、熱中症の症状が強くなっているので、病院に行きましょう。
発汗をあまりしていないのに、いきなりぐったりし始めるのも危険な兆候です。呼びかけに対して反応がにぶい時(意識がない)は、直ちに救急搬送も考慮致しましょう。
(3)無理は禁物
時々、前夜発熱していたのに、当日朝解熱していたから登園・登校している方がいます。体温調節能力が低下していると熱中症になりやすいので、屋外行事がある際には担任の先生に伝えて、早めの対応をお願いした方が良いでしょう。
【結び】
多大な被害をもたらした7月の大雨洪水土砂災害で、御親戚やお知り合いが被災された方、心中お察し申し上げます。宗像市内も冠水しましたし、潮位とのタイミングがずれていたら河川がさらに氾濫して、被害が大きくなっていたとの事でした。今後も可能な限りの備えをして、早めの避難が出来る様に心掛けて行きたいものです。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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