教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
園医さんのつぶやき 9月号 (その100)
皆さま、楽しい夏休みをお過ごしになられましたか?

【病気の人を温かく見守りましょう】
炎症性腸疾患(IBD;Inflammatory Bowel disease )の中に潰瘍性大腸炎、クローン病があり、それぞれ難病指定されています。状態の良い時は外見上病気なのか分かりにくいのですが、悪化した時には1日に数~10回以上下痢や下血または微熱・発熱が続くなど、仕事をすることや日常生活を普段通りに送ることが困難になってしまう病気です。現在のところ完治する治療法は無く、腸の炎症が酷くならない様に毎日コンディションを整えるため、内服薬や注射薬が使用されています。それでも身体的・精神的ストレスが溜まった場合には、優秀な専門医と真剣に病気に取り組んでおられる患者さんの組み合わせでも、病状のコントロールが困難になる「重症」と呼ばれる状態になってしまうことが少なくありません。
【コロナウイルス感染症に引き続き注意しましょう】
「日本全体」では第2の流行のピークが過ぎつつある様に感じられるグラフが示されていますが、地域差や時間差がありますので、この先どの様に流行が推移するのかはわかりません。現段階で言える事は以下の通りです。
1)コロナウイルス感染の可能性が高いと考えられる場合(濃厚接触者も含む)はPCR検査を行政検査(無料)で行われます。2)症状は無く、コロナウイルス感染者の濃厚接触者でもないがPCR検査を希望する場合は自己負担金(数万円)が必要となります。3)陰性証明のために行うPCR検査は、賢明でも建設的でもないと考えられます(陰性の保証は翌日まで出来れば良い方)(不安なお気持ちは十分お察し申し上げます)。
コロナウイルスの患者さんが他の人に感染させる数は、麻疹や水痘に比べてそれほど多くはありませんので、通常の生活空間では一気に病気が拡がる事は稀です。しかし、集団生活を行っていれば、クラスターが発生する可能性はどの場所でもあり得ます。細心の注意を払っていても感染してしまう可能性はありますので、感染した人や施設を責めずに愛護的な気持ちで見守って頂きたいと思います。冷静な行動をお願い致します。もし、家庭内に持病をお持ちの方がいらっしゃる場合は、家庭内でも距離を保ち、接近する際はマスクをして頂き、手指や共用部分の消毒をお願い致します。
【他の感染症】
8月前半はアデノウイルス感染症が、後半からヘルパンギーナが少しみられる様になってきました。ウイルス性の胃腸炎も長く流行しています。どうぞお気をつけください。

まだまだ残暑が厳しそうな状況です。熱中症にも引き続きご注意下さい。
さらに勢力の強い台風の接近も懸念されます。体とお住まいの安全確保をなさって、どうぞくれぐれもご自愛のほど、お願い申し上げます。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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