教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
2016年1月 『インフルエンザ・熱性痙攣・耳のお掃除』について
明けましておめでとうございます。
どのタイミングでインフルエンザが流行のピークを迎えるかが、気になるところですね。
正月は暖かい日が続きましたが、冷え込んで乾燥した日が続く時は要注意です。どうぞお気を付け下さい。
早期から集団保育されているお子さんの中には、次から次へと感染症を経験していく方がおられます。治ったと思ったら他の風邪をひき、預けたと思ったら熱を出して電話がかかってくる・・・。
保護者・親族の皆さま、本当に大変です。
毎年話題になるインフルエンザの検査のタイミングですが、決まりはありません。人によって、鼻の奥でウイルスが増殖するスピードに違いがあります。ですから、お隣さんは、熱が出て半日も経たないうちに検査が陽性に出た、その人から感染しているはずだから自分も、という訳には行きません。個人差が大きいのです。
また、国が認めているインフルエンザ検査は2回までです。かかりつけ医に相談されて、適切なタイミングで検査をしてもらって下さい。
さて、発熱する人が多くなると、熱性けいれんを起こすお子さんも増えて参ります。熱性けいれんですぐ生命に関わる事は稀ですが、5分以上けいれんが続いている場合には、救急車をお願いしても良いでしょう。我が家でお子さんがけいれんを起こすと慌てますが、「何時にけいれんが始まったか?」「けいれんのしかたが左右対称か非対称か?」などをチェックして頂けますと有り難いです。心の余裕がない場合は、衣服を緩めて、首が締まらないようにするだけでも結構です。口に物を突っ込む必要はありません。舌を噛む事はほぼありませんし、異物を口の中に入れるのは危険ですので止めて下さい。大半は1~2分程度で自然におさまるはずです。落ち着いた後、かかりつけ医に受診して下さい。夜間の場合、けいれんは止まったけれど、その後、機嫌が悪い、ぐったりしているなどの状態であれば診察してもらって下さい。
 耳のお掃除について。
基本的には、積極的に耳の掃除をする必要はありません。耳掃除と称して、綿棒で耳垢を押し込んで固めてしまっている方がおられます。本人はどんどん耳の聴こえが悪くなりますし、副鼻腔炎に中耳炎を合併していないか診察する時に、化石の様な耳垢を除去するのに大変苦労します。お風呂に入った時に水が耳に入ったか心配な時は、耳の入り口に軽く綿棒を斜めにあてて、ゆっくり水が吸い出されるのを待ちましょう。どうしても本人が希望して耳かきをする事になった場合は、他の兄弟がそばに飛んで来たりしない様、他の家族に安全を確保した上で(できれば別室にいてもらうなど)行って下さい。鼓膜の内側に耳小骨があり、これが損傷すると高度難聴になってしまうことがあります。
 皆様、元気に冬場を乗り切る事をお祈り申し上げます。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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