教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
2016年10月【B型肝炎ワクチンの定期接種開始のお知らせ】
【B型肝炎ワクチンの定期接種開始のお知らせ】
10月から、平成28年4月以降に生まれた1歳未満の方を対象に、B型肝炎ワクチンの定期接種が開始されます。標準的な接種方法は生後2か月、生後3か月、生後7~8か月の3回接種です(2回目は1回目から4週間以上、3回目は1回目から20~24週間以上の間隔での接種になっております)。4月生まれの方は、10月中に1回目を接種する事をお勧めします。疑問点ございましたら、市役所こども課までお問合せ下さい。
【B型肝炎の感染様式】
B型肝炎はB型肝炎ウイルスが体内に侵入する事で感染します。以前は血液感染が重要視されておりましたが、近年、唾液、汗、涙、尿、皮膚病からの浸出液などからも感染することが判明し、注意が必要との機運が高まって参りました。
【B型肝炎の症状】
感染した後、急性肝炎を発症して体がだるくなる人もいますが、全く症状が出ない人もいます。その後、ウイルスが体の中に居座ってしまうキャリアという状態になる人がいます。普段は無症状ですが、比較的若年(40~50代)で肝臓がんができたり、免疫力が弱くなった際に劇症肝炎を起こしたりして、治療の甲斐なく不幸な転帰を迎える事もあります。
【治療・予防】
肝機能障害がある場合は、体内のウイルス量を最小限に抑えるB型肝炎治療薬を内服する治療方法が主流ですが、完全にウイルスを体内から除去する事はできません。
一番良いのは、感染しない事、つまり予防接種をする事です。

【余談】
古来、日本で感染していたB型肝炎のウイルスはgenotype C(ジェノタイプシー)という種類で、3歳以上の人が感染しても急性肝炎をおこすだけで、殆どキャリアになりませんでした。ところが近年、ヨーロッパからgenotype A(ジェノタイプエイ)という3歳以上の感染者でも10%程度キャリアになってしまう種類が持ち込まれました。首都圏では、おじいちゃんが夜に遊びに行って、家庭に持って帰って孫に感染させるという事例も起こっている様です。定期接種が始まってしばらくは、1歳未満のお子さん、特に平成28年4月生まれの人を優先させて頂きたいですが、数ヶ月~半年くらい経ったら、対象者以外の方でB型肝炎ワクチンを受けていない方は、接種を検討して頂いても良いのではないかと思われます(残念ながら有料です)。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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