教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
2018年1月『保険診療とは』と『インフルエンザの検査』
明けましておめでとうございます。

【保険診療とは】
本題に入る前に保険診療について考えてみようと思います。
一般的な小売店であれば、買い手が欲しい分だけ売り手が物品を提供する事が基本ですが、保険医療の場合は、患者さんの症状や疾患に合わせて、「医師が必要・適切と判断した場合に、検査の実施やお薬の処方が可能」となります。
お勤めの事業所から、社会保険料として給与から天引きされ、社会保険診療支払基金に集められ、適正と認められた医療行為についてのみ、各医療機関に支払われます。
毎月、公正な医療が行われているかのチェックがあり、現在はオンラインで数ヶ月分、複数の医療機関に受診されているかどうか一目でわかる様になっていますので、個々の医療機関が不正とまではいかないにしてもあからさまに過剰な処方をしている場合は、査定があり、最悪の場合保険医または保険医療機関の取り消しになります。または、特定の薬が医療財源を圧迫する場合には、その薬が生命維持に強く寄与しない場合は、保険収載(自己負担分だけ、つまり1~3割支払い)の取り消しとなり、市販薬(お薬代金を全額負担)として購入しなければならなくなる可能性もあり得ます。

【インフルエンザの検査】
インフルエンザがAもBも流行し始めました。インフルエンザの検査のタイミングは毎年悩ましい事案です。乳幼児は鼻腔でのインフルエンザウイルスの増殖スピードが速く、発熱覚知から3~6時間経過したところで陽性になる比率が高いのですが、小学校高学年以上(中学生、高校生~成人)になると、発熱後12~24時間経っても検出できない人の割合が増えて来ます。
もちろん同年齢でも個人差がありますので、その時の症状で担当医師と相談して頂ければと思います。
インフルエンザ検査も、原則1か月に2回までしか保険医療で検査できない事になっております。ごくまれに、親御さんの気が済むまで数時間おきに小刻みに何回も検査をリクエストされる方がおられますが、原則的に保険診療の適応外です。限りある医療財源を有効に利用することに御了承、ご協力頂けますと有り難く存じます。

今年も引き続き、手洗い、うがい、規則正しい生活リズム、バランスの取れた食事でウイルスを近づけないように、頑張りましょう。どうぞよろしくお願い申し上げます。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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