教育改革の推進
健康管理
園医さんのワンポイントアドバイス
幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
園医のつぶやき 9月号 その160 「麻しん(はしか)にご注意ください」
皆様、こんにちは。8月から福岡県内で麻しん(はしか)の発生が報告されています。以下、福岡県庁からのお知らせを引用いたしました。特に30代前半から40代の保護者さま、ご参照願います。麻疹について
麻しんは、麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身性感染症です。
感染経路としては、空気感染(飛沫核感染)、飛沫感染、接触感染など様々な経路があります。
感染力は極めて強く、麻しんの免疫を持たない人が感染するとほぼ100%の確率で症状が現れ、一度感染して発症すると生涯免疫が持続するといわれています。
麻疹の症状
麻しんウイルスの感染後、10日から12日間の潜伏期ののち、発熱や咳などの症状で発症します。
38℃前後の発熱が2から4日間続き、倦怠感、上気道炎症状(咳、鼻水、くしゃみなど)、結膜炎症状(結膜充血、目やに、光をまぶしく感じるなど)が現れて次第に強くなります。
発疹が現れる1から2日前ごろに口の中の粘膜に1mm程度の白い小さな斑点(コプリック斑)が出現します。コプリック斑は麻しんに特徴的な症状ですが、発疹出現後2日目を過ぎるころまでに消えてしまいます。コプリック斑出現後、体温は一旦下がりますが、再び高熱が出るとともに、赤い発疹が出現し全身に広がります。
発疹出現後3から4日で回復に向かい、合併症がない限り7から10日後には主症状は回復しますが、免疫力が低下するため、しばらくは他の感染症に罹ると重症になりやすく、体力などが戻って来るのに1か月くらいかかることも珍しくありません。
麻しんに伴って肺炎、中耳炎、脳炎などさまざまな合併症がみられることがあります。特に、脳炎は頻度は低い(1000人に1人)ものの死亡することがあり、注意が必要です。
麻疹の発生状況
平成27年3月27日、世界保健機関西太平洋地域事務局により、日本が麻しんの排除状態にあることが認定されました。令和2年から令和4年は新型コロナウイルス感染症の世界的な流行に伴う国内外における人の往来制限から、年間届出数は6~10例と大きく減少しました。
令和5年以降は、国外における麻しん流行に伴い、国内でも海外からの麻しん輸入症例が増加している一方で、海外渡航歴のない麻しん症例も報告されています。
麻疹の予防
麻しんの予防には、予防接種が有効です。
(参考)年代別の麻しん定期接種回数
生年月日
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生