教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
園医さんのつぶやき6月号(その109)【今流行している感染症と新型コロナウイルスについて】
園医のつぶやき その109

先日は内科健診に伺いました。不自由な毎日が続いているにもかかわらず、元気いっぱいのお子さんたちにとても勇気づけられました。ありがとうございます。受診や相談をお勧めしたお子さんにつきましては、よろしく願い致します。

【今流行中の子どもの感染症】

 今年2月から宗像市の幼稚園や保育園でRSウイルスが長期間流行しています。年齢が低いほど重症化する可能性があります。鼻の奥と喉の境目あたりが痛くなり、鼻水と咳が出ます。副鼻腔炎や中耳炎、気管支炎や肺炎を合併する事もありますので、要注意です。鼻を自分でかむ事ができないお子さんは、小まめに受診して頂くようお願い致します。
 ウイルス性胃腸炎も少しずつ流行しています。昨年あまり流行しなかったせいか、同居している大人も一緒に感染してしまうご家族も見かけます。嘔吐が数回以上続く時は、脱水や低血糖を防ぐため、早めに受診してください。
 溶連菌感染症も他の園で少しずつ見られています。喉を痛がりますが、気付かない内に1日程度で自然に解熱してしまいます。数日後に首のリンパ節が腫れてきたり、体に小さい発疹が出て気付かれたりする事も少なくありません。年齢関係なく唾液を介して何度も感染しますので、お子さんからうつらない様に同居のご家族もご注意下さい。
 こちらも他の園ですが、アデノウイルスや夏風邪の代表選手のエンテロウイルスが原因と考える高熱だけの方が、ちらほらみられる様になってきました。特効薬はありませんが、人によっては高熱が長引く事もあり、脱水にご注意願います。

【新型コロナ感染症について】

 大都市を中心に第4波が来ています。N501Y変異のため感染が拡がりやすくなっていますが、お子さんたちだけが感染しやすくなったとか、重症化しやすいなどの傾向はありません。皆さんの努力で新規感染者の増加は鈍っていますが、重症患者さんの数が減るのはもう少し先ですし、インド型(L452R;452番目のリシンがアルギニンに置換)が流行の主体に変化する可能性もありそうです。ワクチン接種が進んでも、しばらく用心は必要と思われます。

 PCR検査の数が少ないと言う方がおられますが、かなり強い濃厚接触で感染必発の状況の方は経時的にPCRを検査した場合に陽性になるのには、発熱から2~3日後(接触から5~8日後、またはそれ以上)のケースもあります。従って陰性証明には使用しにくい検査です(他のインフルエンザ、アデノウイルス、RSウイルスなどの迅速検査すべてに当てはまります)。適正なタイミングでないと公費での検査はできませんので、不適切な状況で会社から検査を指示された際は、費用は会社に負担して頂く事になる場合もあります。ご理解願います。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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