教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
12月園医さんのつぶやき『インフルエンザから身を守る』
 11月下旬より、ちらほらインフルエンザに感染したお子さんが出始めました。規則正しい生活をする、バランスのとれた食事を摂る、人混みではマスクを着用する、部屋の乾燥しすぎを防ぐ(加湿をする)、ワクチンを接種する、などでインフルエンザから身を守って下さい。
 「私はインフルエンザにかかったことが無い!」と言われる方がおられますが、発熱しなければインフルエンザに感染していないわけではありません。むしろ、強靭そうにみえる免疫力をお持ちの方が、無症状~軽症の間の症状で自覚がないまま、公共の場でインフルエンザウイルスをばらまいている可能性もあり得ます(確率は高くありませんが)。感染症で高熱が出やすいか否かは、個人個人の免疫の性質によると考えられています。
世の中には、心臓病や肺の病気をお持ちで、薄氷の上を歩く様な気持ちで、やっと生きている方もおられます。また、持病がなくても、夜勤や遅くまでの残業で不規則な生活だったり、毎日満員電車に揺られていたり、休憩時間が極端に少なく落ち着いて食事も摂れないなど、ハードな生活をしている方もおられます。そういう方たちはインフルエンザ感染~発病~重症化の危険性が高くなります。ご自身がインフルエンザに感染しているか否かを問わず、もしかしたら周りに弱っている人がいるかもしれないと、少し気配り下さいますようお願い致します。
 11月最終週も感染性胃腸炎が流行しています。吐物、下痢便に触れる際には手袋、マスクをなるべく着用し、最後にしっかり手洗いして下さい。嘔吐し始めの1時間は水分を無理に飲ませず安静にして、手持ちがあれば吐き気止めの坐薬(ナウゼリン坐薬)等を一度試してみて下さい。坐薬使用から30分たって嘔吐しなければ徐々に水分を少量ずつ与えて下さい。さらに30分~1時間嘔吐しなければ食べ物を少量ずつ与えて下さい。それでも嘔吐し続ける場合やお家に吐気止めの坐薬が無い場合は、あまり長時間様子を見ずに医療機関を受診されて下さい。嘔吐はないが、下痢がある人にはOS-1やアクアライトなどの経口補水液を使用されても良いでしょう。コンソメまたはうどんのスープ、お吸い物、お味噌汁などでも良いです。
ノロウイルスにアルコール消毒は無効です。嘔吐物や下痢で汚染された床や物などは、次亜塩素酸ナトリウム(ハイターは5~6%、ミルトンは1%濃度)を0.1%の濃度に薄めて消毒してください。おもちゃやドアノブなどの消毒には0.02%に希釈して消毒して下さい。金属部分はそのままですと腐食するので、30分くらい経ったら濡れタオルなどで拭きあげて下さい。ペットボトル等で希釈すると思いますが、放置して小さなお子さんが飲まない様に注意して下さい。また、希釈した後は活性が落ちますので、使用する都度新しく作成された方が無難です。
では、みなさま元気に楽しいクリスマス会を迎えられますように!
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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