教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
2016年6月「食中毒に気を付けましょう」
先月は健診に伺いました。皆さんの元気な様子を
みせて頂いて、元気を頂きました。
有難うございます。

5月後半から急に気温が高くなりました。小学生や中学生のお姉さん、お兄さん達は、運動会で少しお疲れモードです。皆さんも無理されず、規則正しい生活を心がけて下さい。

気温が高くなりますと、細菌による食中毒の発生件数が増えます。肉類は細菌による食中毒をおこしやすいですので、①肉類はビニール袋に包んで、汁が他の食品に付着しないようにする、②お店で買った後、なるべく早く冷蔵庫に保管する、③調理する前にしっかり手洗いする、④肉を切るのに使ったまな板を良く洗う、⑤生肉を入れたボウルなどを洗ったスポンジで、コップを洗わない、⑥まな板やスポンジを定期的に塩素系消毒薬で消毒する、など色々な所に落とし穴がありますので、ご留意下さい。
細菌性腸炎の中で最も件数が多いのがカンピロバクターです。下痢症状で始まる事もありますが、風邪症状や発熱で始まることも少なくありません。整腸剤を飲んでもなかなか症状がすっきりせず、腹痛が続き、時には血便が出てくる事もあります。治療はエリスロマイシンなどのマクロライド系抗生物質の内服です。ごくまれに、手足に力が入りにくくなる症状で始まるギランバレー症候群が、カンピロバクターに感染して1~3週間後に起こる事があります。加熱不十分な鶏肉(ほかのお肉も!)を食べたりしない、上記の様に調理や食器洗浄の際に汚染させない様、ご注意願います。
ロタウイルス腸炎も一部で流行しています。通常ですと1~2歳以下のお子さんが症状が強く、年齢が上がるにつれ軽症になるのですが、この頃はわりと年齢が高いお子さんで中等症~重症の方がおられます。2~3回嘔吐した場合はなるべく早めに嘔吐、吐き気を止めてあげる事が大切です。10回以上嘔吐するまで経過を見るのは危険です。また、下痢の回数は少なく脱水症状がひどくなくても、2食連続で食べられなかった場合は低血糖になる可能性があります。嘔吐が止まったけれど、水分だけしか摂取できない場合は、なるべく経口補水液(OS-1、アクアライト)を飲ませる努力をしてみて下さい。経口補水液を受け付けない場合は、うどんスープ、お吸い物、コンソメスープ+少量の食塩、などでも結構です。水分、塩分、糖分のバランスが大切です。お白湯だけやお茶だけ、はとても危険です。よろしくお願い申し上げます。

体調をくずして、じんましんが出ている方も多くなっています。
手洗いと衛生、規則正しい生活、バランスの良い食事でじめじめした梅雨を乗り切りましょう。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
バックナンバー