教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
2020年度 園医さんのつぶやき(4月号) №95
園医のつぶやき その95

新入園のみなさん、おめでとうございます。
毎月、流行している病気の事などをお知らせする機会を頂いております、宮原小児科医院の宮原道生と申します。よろしくお願い致します。4月に健診に伺います。
コロナウイルス感染症について、連日色々な報道がなされています。腑に落ちる解説から首を傾げるコメントまで、内容の重要性や信ぴょう性については幅があるので、皆さんもどれを信じて良いのか迷われているのではないかと思います。
最低限、手をこまめに洗う、(喘息や鼻炎、他の感染症など明らかに原因が分かっている時を除き)咳が出る時はご自宅で安静にして頂く、換気の悪い密閉空間に長時間滞在しない、を守って頂ければと思います。
咳嗽、発熱、ひどい倦怠感、呼吸障害、嗅覚と味覚の障害から無症状まで、症状は非常に多彩です。嗅覚と味覚の障害(においがしなくなった、味を感じなくなった)を除いて、病初期に特異的な症状はありません。コロナウイルス感染症を否定できないとお感じになった際には宗像遠賀保健福祉環境事務所0940-36-6098(平日の9時から17時)、福岡県保健所092-471-0264(夜間・休日)にお問い合わせ下さい。クリニック(開業医)や急患センターではPCR検査はできませんので、どうぞご了承願います。
数は多くないですが、咳をする病気を以下にお知らせします。
RSウイルス感染症;鼻水が特徴的で、副鼻腔炎、中耳炎、気管支炎、喘息に似た症状を伴う事があります。
ヒトメタニューモウイルス感染症;咳が主で、冬の終わりから初夏までみられます。時々、高齢者の施設などで集団発生する事もありますが、乳幼児も罹患します。
百日咳;0歳から1歳にかけてワクチンをしますので、古典的な症状(連続性の咳嗽、咳が一旦止まる時にヒューと吸い込む)は殆ど見られません。普通の風邪がなかなか落ち着かず、徐々に咳が酷くなって行きます。残念ながら小学校入学前後くらいで免疫が落ちてしまう場合もあり、小学校低学年や成人で密かに流行することがあります。
マイコプラズマ感染症・肺炎;しつこい咳や長引く発熱で、抗生物質が効きにくい例が散見されます。小学校中高学年~中学生にピークがみられます。
結核;乾いた咳が長期間続き、微熱、体重減少などがみられます。血痰が出るまで放置されることは近年まれです。
いずれにせよ、3日以上咳が続けば、最低1週間以内に一度受診して下さい。但し、コロナウイルス感染の可能性がある方は、一度上記の電話番号へ相談も御検討願います。
オリンピックの延期、どんたくの中止など、苦渋の決断を迫られた事と想像します。コロナウイルス感染者の増加スピードが遅い分、日本では流行が長引く可能性があります。注意を持続するのは非常に難しいですが、咳エチケットと手洗いと環境整備で頑張って行きましょう。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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