教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
2017年7月『ヘルパンギーナと手足口病について』
夏の訪れとともに、エンテロウイルス感染症の患者さんが増えてきました。
代表的な状態は、口の中に水疱ができるヘルパンギーナと口と手足に水疱ができる手足口病です。一般的にはウイルス分離検査を行いませんので、臨床診断のみですが、同じウイルスに罹患して、ヘルパンギーナになる人もいれば、手足口病になる人もいます。感染様式は主に気道(口、唾液)からの飛沫感染です。ウイルス排出期間は便からは最長で1か月でる事もあり、インフルエンザの様に隔離期間が定められておりません。解熱していて、差し支えない程度に体力と食欲が回復していれば、登園が可能です。
エンテロウイルス感染症の大半は軽症ですが、中には無菌性髄膜炎など神経系の合併症を起こし、発熱、頭痛、嘔気・嘔吐などの症状がとても強い場合、意識がはっきりしていない、手足の動きが悪い、目の見え方がおかしいなどの症状が少しでもある場合は、入院が必要になる事があります。
非常に特殊なケースですが、エンテロウイルスD68に感染しますと、喘息がひどくなったり、徐々に手足に力が入りにくくなる麻痺症状が出る事があります。非常に”まれ”な状態ですが、日常動作に変化があった場合には、かかりつけ医にご相談下さい。

梅雨が明けますと、夏本番、猛暑がやってくると予想されています。高温・多湿は危険な環境ですが、それほど高温でなくても前日までの気候から急激に大きく変化した場合は、熱中症になる危険性があります。前日との気温・湿度の変化を考慮して、十分注意しましょう。
レジャーでの危険にも注意したいものです。海・川では、決して遊泳禁止のところで泳がない様にしましょう。海では離岸流の発生しやすい場所、川では非常に複雑な流れや急に深くなっている場所に相当すると考えられます。ライフジャケットや浮輪、大き目のクーラーボックスや空の2リットルのペットボトルなども救命に役立ちます。天気の急変や、川の増水、竜巻の発生など注意報をチェックして、楽しい夏休みが迎えられますように。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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