教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
園医のつぶやき 2月号 その141 【こどもたちの元気さはどうやって判断する????】
園医のつぶやき その141

みなさまこんにちは。1月の最初の2週間はとても平和でした。しかし各地に大雪を降らせた寒波のせいで?あっと言う間にインフルエンザBが猛威をふるいました。この数年間インフルエンザBの流行がありませんでしたので、ほとんどの方の免疫が低下しているのも一つの要因かと思われます。

さて、子どもの元気良さや悪さって、外見から判断するのは難しいですよね。
ちょっと視点をかえて大人の自分に状況を置き換えてみましょう。
朝、起きてだるいけれど体温計は無情にも平熱。出勤します。頭がくらくらしながら仕事に集中できません。体のふしぶしが痛くなってきました。夕方早退して帰宅したら37.6℃でした。
パターン1;その後も37℃くらいを推移するので、やせがまんをして出勤する。
パターン2;深夜に38~39℃になり、インフルエンザBの診断をうける
パターン3:翌朝に38℃超えるが、インフルエンザや新型コロナの検査が陰性で、「また明日再度検査しましょう」と医師と言われたが、翌々朝に解熱したので出勤する。
コロナ前だと、発熱しても仕事休めないから無理やり出勤する/させられる事はあったかと思いますが、いずれにしても辛かったですよね。これを再び子どもさんに話を戻してみましょう。パターン2は休む期間が確定しますね。ほかの2つのパターン1やパターン3の場合に、「平熱になったから、あなた保育所/幼稚園に行きなさいよ!」と、お子さんが登園させられます。果たして熱さえなければ元気良く園で過ごせているのでしょうか?最近の状況をみて、実際は心身ともに辛い状況で登園しているお子さんは少なくないのでは?と思うようになりました。体温計の数字だけを見つめずに、お子さんの表情、息づかい、食欲などを見て頂けると幸いです。

毎回、各種の迅速抗原検査を行うタイミング、特にインフルエンザBは発熱してから陽性になるまでの時間が若干長くかかる印象で、そのタイミングをはかる、判断するのは悩ましいのですが、時々「今検査しないと、ママが明日仕事行けなくなるでしょ!」とおっしゃる方がいます。様々な生活背景をお持ちなのは重々承知で、その言葉を心の中でつぶやくのは自由ですが、子どもさんたちに直接浴びせるのは、いかがなものか?とこれまた思う様になりました。というのも、最近自分の体調が悪くても、迷惑をかけてしまうので親に言えない/言いづらいお子さんが増えてきている、と聞いたからです。数十年経って、お子さんが老後の面倒を見てくれる?様になった時に、どんな事/言葉が待っているでしょうか?

さて、もうそろそろ節分の豆まきですね。どんな鬼さんが出てきますでしょうか?みんなで病気と邪気を払いましょう。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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