教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
園医さんのつぶやき 6月号(その121)【食中毒や胃腸炎にもご注意ください】
5月は内科健診に伺い、元気いっぱいの園児さんたちに会う事ができて、活力をいただきました。少しアドバイスさせて頂いておりますが、心理、言語、肥満のいずれにせよ、客観的な立場から一度評価してもらい、必要な場合は継続的なサポートをする事がとても重要です。ご理解のほど何卒宜しくお願い申し上げます。

さて、暖かさを通り越して暑さを感じる様になりました。食材が傷み易い季節で、6月は食中毒の発生が多くなります。ご自宅での食品管理、調理の衛生など御留意願います。
鶏のタタキ(鳥刺し)を成人と一緒に食べて、お子さんだけカンピロバクター腸炎を発症する事があります。発熱、腹痛、下痢などが食べた後2~5日後に始まった場合は、原因食材として疑わしくなります。基本的には便培養を行って起炎菌を検出して診断となりますが、強く疑われるときには便培養の結果を待たずに、検体採取後に治療開始いたします。
またウイルス性胃腸炎も5月中旬から散発的に流行しています。嘔吐が2~3回以上連続する場合には、早めに医療機関に受診しましょう。制吐剤(吐き気止め)の坐薬を使用して効果がみられ始める30分間は胃腸を休めましょう。その後少しずつ水分摂取(経口補水液など)を始めて、嘔吐しなければ胃腸に優しい食事を摂らせて下さい。それでも嘔吐が止まる気配がなければ点滴をします。さらに脱水や低血糖の程度が強ければ入院になります。
お子さんの状態が落ち着いたあと、吐物の処理などご家族の皆様ご苦労様です。まず石鹸での手洗いが大切です。その後、汚染された物の消毒を行いますが、胃腸炎のウイルス消毒にはアルコールの効果がない事が多く、次亜塩素酸ナトリウム(ハイター)を使います(便やおう吐物が付着した床,衣類,トイレなどの消毒をする場合… 濃度が 0.1%(1,000ppm) の消毒液を作ります。おもちゃ,調理器具,直接手で触れる部分などの消毒をする場合… 濃度が 0.02%(200ppm) の消毒液を作ります。)。福山市のノロウイルス対策マニュアルがとても分かりやすく、施設編、家庭編、家庭でできる消毒液(次亜塩素酸ナトリウム溶液)の作り方など、それぞれを参考にして頂ければ幸甚に存じます。

今後、制限は解除に向かい、以前の生活に近づいて行く見通しです。しかし、①新型コロナウイルスがいなくなるわけではありません。②ワクチンができない乳幼児は容易に感染します。③ワクチン接種している成人でも回数に関係なく、運が悪いと“普通の風邪”とは言えない状態になってしまう事がありうる。この事を忘れない様にお願い致します。
お互いに無理しない、無理をさせない職場や家庭環境づくりを目指せる事を願います。参議院選挙が近づきました。「入れる政党良くわかんない」という方は、比例代表で候補者を書く事ができます。子育てしやすさを超党派で目指している議員さんもいますので、情報収集のほど、宜しくお願い申し上げます。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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