教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
園医さんのつぶやき夏休み号 『子どもの骨は未完成品です。』『夏の過ごし方』
 みなさんこんにちは。この号が出る頃には、梅雨が明けているのでしょうか?高校野球の地方大会も佳境に入っているのでしょうか?中学生の大会は宗像→筑前→県と進んでいる頃でしょうか?吹奏楽コンクールも開催されているでしょうね。
強いチームが勝つのではない、勝ったチームが強いんだ、とか禅問答の様な事を教わります。野球で言えばヒットを多く打てるチームの方が勝勢なのですが、あと1本タイムリーがでなくて残塁の山で負けたり、殆どヒットを打てていない方が、少ない得点機会を活かして1点差で勝ったりします。野球の神様は時として残酷だったり、きまぐれだったりしますね。
少年野球なんかになりますと、プレーしているのは子供のはずなのに、何故か親の方が熱くなってきたりして、子供がチョンボすると大きな声を出したり、帰ってから説教したり・・・。果ては、他の子の親に説教じみた事とか、監督の采配が悪いとか言い出す方まで出てきたりします。
思い通りに行かないのは、人生に似ているかもしれません。ですが、本人たちは、その思い通りに行かない事を学ぶ事で、大人になってからの忍耐力がつく様な気がします。自分の子供に有利な様に、と色々な事をお膳立てしてもらって優秀な大学を卒業後、大手企業に入社して2週間も経たないうちに上司から(怒られて、とか叱られて、ではなく)注意されて退社などという話も珍しくない時代になってしまいました。
まだまだ、皆様は「そんな事、うちには無関係」と思われている方が多いでしょうが、子供がする事に、親が熱くなりすぎる、先回りしすぎるのは、時と場合によりますが、あまり良くないようです。(勿論、「適度に」熱心になるのは悪くないでしょうが)
最後にケガについて。野球に関して言えば、投げ方が悪かったり、投げ過ぎる事によって肘を故障しやすいです。
子供の骨は未完成品です。
 筋肉に引っ張られる事により、骨がはがれやすい【剥離(はくり)骨折】のです。
故障した際、一定期間プレーを禁止させる医師がヤブ呼ばわりされて、無責任にプレーを許可する医師が名医と思われているのは本当に残念です。フォームが悪いから故障しているのに、フォームを改善させないうちにプレーするのは自殺行為です。2~4週間プレーを我慢すれば治るところを、無理して骨の剥がれ方がひどくなってしまい、手術しなければいけないとか、完治は絶望的などという話を聞く事があります。小児の体の特性を良く理解して、色々なスポーツを楽しんでみるのが良いでしょう。ピークを高校時代だけでなく、一生、スポーツをお子さんたちが楽しめるように願ってやみません。
 あっ、リクエストは夏の過ごし方でしたね(汗)。ヘルパンギーナや手足口病の患者さんが増えると、夏の到来を感じます。軽症で自然治癒する方が多いのですが、頭痛がひどい、意識がもうろうとしているなどありましたら、早めに医療機関受診して下さい。前号に書きました通り、熱中症に注意しましょう。水分、塩分、糖分がバランス良く含まれている飲料を摂取してください。水だけ、お茶だけは、脱水症がひどくなる可能性があります。夏バテは、軽い熱中症になったものと考え、OS-1またはアクアライト、または味噌汁、お吸い物をとりましょう。
皆様が楽しい夏休みをお過ごしになられることをお祈り申し上げます。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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