教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
園医さんのつぶやき 10月号(その125)【喘息に注意です!】
園医のつぶやき その125

みなさま、お元気でお過ごしでしょうか?暑かった9月前半もようやく涼しくなって来ましたが、台風の発生が増え、朝方冷え込むようになったせいか、喘息(ぜんそく)の人が増えています。
まずは、喘息の様な症状がある時の対処法を考えましょう。
息苦しさを訴えて、おうちに吸入器がなければ病院に受診しましょう。息を吸う時に、のどの下、みぞおちやあばら骨の間が凹む時には、息がうまく出し入れできていないサインですので、緊急性があります。さらに、呼びかけても反応が鈍い時には救急車を呼んでもよいでしょう。
次に、治療が1990年代からどの様に変わったか見て行きましょう。
昔の治療は、テオフィリン製剤と刺激剤と抗アレルギー剤の内服の組み合わせと、必要に応じて自宅で吸入器を用意して頂いて気管支拡張薬の吸入をするしかありませんでした。1998年に刺激剤の貼付剤、2000年にロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)が発売されて喘息の管理しやすさが各段に向上しました。その数年後に吸入ステロイド(ICS)が、さらにその後、長時間作用型刺激薬(LABA)の吸入薬とICSの合剤が使えるようになり、喘息の入院をかなり減らす事ができる様になりました。まれにLTRAやICS+LABAを用いても発作のコントロールが難しい際には、分子標的薬が用いられる様になりました。
それでも初回につよい発作(中~大発作)が起こってしまうと入院が必要になる事があります。数時間おきの気管支拡張薬の吸入、輸液、去痰薬、ステロイド、細菌感染症があれば抗生剤、酸素投与または人工呼吸器の装着などを必要に応じて選んで治療します。
治療の止め時は難しいです。
一つだけお願いがあります。呼吸の状態が良いからと言って、自己判断で治療を止めるのは危険です。特に秋にやめるのは危険です。薬剤を減らして行くのは主治医と相談しながら慎重にしましょう。よろしくお願いします。よろしくお願いします。
幼児期の確定診断は難しいです。
実は、小さいお子さんでは、「気管支喘息ですね」とはっきり言える状況は少ないです。
風邪の原因になるウイルス、ライノウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス等で、喘息に似た症状が出る事があります。喘息に準じて治療をして症状が軽くなる場合と、全く効果ない場合に分かれます。原因ウイルスの特性だけでなく、感染した患者さんの免疫反応の起こり方の違いで、出る症状の強さに違いが出ます。薬剤への反応を見ながら治療を行います。

 それでは、運動会のご盛会をお祈りいたします。
 10月下旬に秋の内科健診で伺います。よろしくお願い申し上げます。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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