教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
園医のつぶやき 1月号 その140 【お薬について】
園医のつぶやき その140

新年を迎えました。
北陸地方の方々、新年早々大変な事になりました。何か出来ることはないかと、もどかしく思いますが、それぞれのエキスパートに気持ちを委ねましょう。
さて、12月中盤以降インフルエンザAやアデノウイルス感染症の流行は、やや一段落してきた印象です。一方で思いがけず新型コロナ感染症だったり、まだ少ないですがインフルエンザBも出始めています。感染性胃腸炎の方もぽつりぽつりおられますが、「園医のつぶやき見て早めに来ました!」とか言って頂けると、お子さんが苦しむ時間が短縮されて本当に嬉しく、感謝の気持ちでいっぱいでした。
 最近あった事例からです。小児科以外の診療科の先生が、小児科で処方された薬に対して「それは効かないから捨てた方が良い」などと発言される事があったそうです。論点が2点あります。1点目は、現在非常に薬剤が不足しています。その場面でその科で必要ない薬でも、1~2週間後に小児科としては必要になる事があります。一旦我々が処方した薬剤が不要と判断されても、どうか捨てずに保管しておいて下さい。1~2週間後、その薬が入手できないかもしれません。2点目は、「後で診察した方が名医」という格言があります。病気の初期に全体像は見えません。最初に一部分しか見えておらず少しずつ肝心な場所が見えてくる映像クイズの様に、数日かけて病像が明確になり、2~3回診察する事でより的確な対応・診断が可能になる病気もあります。強い口調で言われると薬を捨てなければいけない暗示にかけられるかもしれませんが、国が効能を保証していて、適正に我々が処方した薬剤を捨てる必要はありません。どうぞ冷静に対応されて下さい。
 治療薬だけでなく、抗原迅速診断キットも不足し続けています。特にインフルエンザ抗原キット、インフルエンザ+新型コロナの同時診断キット、溶連菌検査キットなどが不足しています。明らかに家族内で感染した、または明らかに喉の所見から診断できる場合には迅速検査なしでそれぞれの疾患の治療を行う事が増えそうです。以前にもお話した通り、検査を行うには早すぎる場合も含めて、適切なタイミングで、なるべくまんべんなく患者さんが検査と治療が受けられる様に、ご協力とご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
 東海大学付属自由ヶ丘幼稚園の創立50周年記念誌を頂きました。次男も年中・年長の時に大変お世話になり、私も保護者の一人として体育館でエビ・カニの体操を踊った記憶があります。ひときわ手間のかかる幼児教育を下さってこられた先生方・スタッフの方々と、協力・応援し続けてこられた代々の保護者の方々に心より感謝を申し上げます。
 
 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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