教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
園医のつぶやき 12月号 その139 【感染性胃腸炎について】
園医のつぶやき その139

はやいもので12月をむかえました。10月に続き11月もインフルエンザとアデノウイルスと感染性胃腸炎が流行しています。
インフルエンザの内服薬の一部が不足しています。平成12年までは小児に使える抗インフルエンザ薬はなく、大半は自然に良くなっていました。全員に抗インフルエンザ薬を使う必要があるのか?という考え方もあります。また、抗インフルエンザ薬を用いた場合も、咳や倦怠感などの症状が長引いてしまう方もおられます。ウイルス感染した後の、それぞれの免疫反応に差があることが原因と考えられています。
今年インフルエンザAに罹患した方から、「私はインフルエンザワクチン打った方が良いですか?打つならいつ頃が良いですか?」としばしば質問頂きます。諸論ありますが、
「今後インフルエンザBがどの程度流行するかわからないので、12月末か来年1月中までに接種するのはいかがでしょうか?」とお伝えしています(一つの考え方です)。

 11月中旬から多くの園児さんが感染性胃腸炎に罹患されて、本当に心を痛めました。今一度、お願いしたい事がございます。嘔吐し始めて2~3回まで、または2~3時間以内に制吐剤(ナウゼリン坐薬)を使いましょう。制吐剤が家になければ、早めに医療機関に受診しましょう。幼児は、筋肉や肝臓に蓄えられたグリコーゲンの量が少ないため、容易に低血糖になります。低血糖になると、脂肪から糖を作ろうとします。その時にケトン体が作られて血液が酸性になります。血液が酸性(アシドーシス)になると、アルカリ性に戻そうとして胃液を吐きます。胃腸炎で吐いていたのに加え、アシドーシスを補正しようとして吐くのが上乗せされてしまいます。なるべく早めに嘔吐を止めて上げてください。食物を食べたがらない時は、スティックシュガーを試しても良いです。水分補給で飲ませるのは真水やお茶ではなく、経口補水液でお願いします。よろしくお願い致します。
 アデノウイルスもまだまだ流行し続けているのが、本当にやっかいです。感染力が大変強いので、引き続きご注意願います。結膜炎を合併したら「眼科」に受診をお願いします。
 また、11月末少しずつ新型コロナに感染している人も見かけられる様になりました。小児はあまり重症化しませんが、ごく一部で重症化するケースも報告されていますので、インフルエンザや胃腸炎と同程度にご注意願います。

東海大学付属自由ヶ丘幼稚園様、開園50周年おめでとうございます。
私の高校の同期が、「ぼくたち第一期生で、最初は公民館だったんだよ。」と教えてくれました(私は福岡県内の別の田舎で幼少期を過ごし、夏休みと正月に宗像市の祖父母の家に泊まりに来るサイクルでした)。今は遠いところからエールを送ってくれていると思います。
これからも関係者皆様の益々の御発展をお祈り申し上げますとともに、現役の園児の皆さんが、笑顔でクリスマス会を楽しめますように願っております。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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