教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
園医さんのつぶやき 1月号(その116号)【新年明けましておめでとうございます!】
明けましておめでとうございます。

久しぶりに御親戚と楽しいひと時を過ごされた方も多いのではないかと思います。
祖父母様もお喜びになったことでしょう。
昭和の頃のお正月は、羽子板(はごいた)を使って羽根つきしたり、凧揚げ、コマ回しをしたりしていました。平成になった頃、スーパーファミコンがカビ臭い当直先の病院の部屋にありましたが、私は当時、2D画面と電子音の音楽が苦手で、1回試しにやって終わりました。脱線しますが、ドラゴンクエストの音楽は2トラックだったものが後に壮大な交響曲になり、作曲者の心の奥底に潜んでいた豊かなイマジネーションを見抜けなかった自分が悲しくなりました。令和の正月はswitchや、スマホゲームなどが主流でしょうか?
 子どもが誕生して、まず親と子の関係ができます。その後、きょうだいや祖父母などとのかかわりが出て来て、やがて他人・第三者と関わる練習が始まります。最終的には、自分の欲求と他人の欲求のバランスを取る、静かに他人の話を最後まで聞き、それに対する自分の意見を言う、共通の目的を達成するためにそれぞれの役割を理解し協力しあう。とても高度な事に思われますが、幼児期にその素地が作られます。お正月の家族そろっての遊びは複数名での関係性の理解につながりますし、園でお友達と一緒にお遊戯会や餅つきを楽しむのは、第三者との関係性を知り学ぶ良い練習になります。
 あと、子どもが「いや」と言った時の対応も親御さんは学ぶ必要がありそうです。二歳児の「いや」はなかなか難しいですが、三歳以上になったら、「いやな事を何故しなければならないのか」を言葉で説明しましょう。強引にやらせるより手間のかかる方法ですが、これを繰り返すと、大半はお子さんとの関係は良好になりますし、副産物で職場の同僚にも説明が上手になります。お子さんへの説明を放棄すると、「ゴネたら親は自分の言う事を聞いてくれる」と面倒な認識を植え付けてしまいます。もちろん、困った時は園の先生、または市役所の発達相談室に相談してみましょう。

12月は感染性胃腸炎が最も多く、春~夏に流行したRSウイルス感染症が乳幼児を中心に少し増えてきている印象です。インフルエンザの報告がたまにありますが、ほぼ0を推移しています。新型コロナのオミクロン株の感染者数がどの様に変化して行くかは状況を見守るしかありません。抗ウイルス薬のモルヌピラビルは妊婦さんには投与できず(禁忌)、それ以外の感染者に全員処方できるわけではなく、基礎疾患のある方が対象となります。したがいまして、ワクチンを接種できる方はして頂いて、その後も手洗いとマスクなど衛生管理は引き続き従来通りお願いしたいと思います。

 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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