教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
7月 園医さんのつぶやき 子宮頸がん予防ワクチンについて
園医のつぶやき その14

 今回は園児さんには直接関係ない事で恐縮です。
複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome:CRPS)という病気があります。きっかけとなった外傷や疾病に不釣り合いな持続性の痛みがある状態です。ワクチン接種だけで起こる病気ではなく、小児科領域では、あまり頻度が高くない病気ですが、海外では、DPT(三種混合)、B型肝炎ウイルスワクチン、風しんウイルスワクチン、破傷風ワクチン、インフルエンザワクチンなどの接種後に発症したという報告がなされています。
御存知の通り、現在、日本では子宮頸がん予防ワクチンが、問題になっています。
もともと、20歳代の女性の子宮頸がんの進行が速く、早期に発見できなかった場合には、予後(≒治る見込み)も思わしくないことから始まったワクチンです。米国疾病対策予防センター(CDC)では、6月25日現在のところ日本でのCRPSの発生について全く触れていません。
 日本では、厚労省から「定期接種は中止しないが、勧奨接種は控える」という立場がとられました。現場の判断は非常に難しいところです。CRPSの病気の仕組みや診断方法が解明、確立しているわけではないので、今後、早急に混乱が鎮静化するとは期待しにくい事が予想されます。
 ワクチンが原因かどうか、断定できる状態ではありませんが、CRPSで苦しんでいる方々が、一刻も早く快方に向かわれることをお祈りしたいと思います。
 興味ある方は、下記URLを参照願います。

厚労省の子宮頸がん予防ワクチンのQ&A
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/qa_shikyukeigan_vaccine.html

CDCのHP(英語です)
http://www.cdc.gov/vaccinesafety/Vaccines/HPV/hpv_faqs.html
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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