教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
2017年12月『インフルエンザ流行の兆し』
冷え込んだり、暖かくなったり、タフな11月でしたね。
インフルエンザの患者さんも徐々に増加傾向にあります。11月20日~26日の週は福岡県の定点から460名の方の報告があり、1医療機関につき2名以上となりました。宗像市ではそれほど大流行に至っておりませんが、今後福岡市または北九州市からの流行の伝播から、いつ大流行になるか予想が難しいですので、体調管理に気を付けて参りましょう。
口と舌を大きく動かし、舌の口腔内での適正な位置保持と、鼻呼吸による吸気の加湿で、病原体の侵入を防ぐ「あいうべ体操」が普及しておりますが、体が脱水傾向では鼻腔を加湿できませんので、こまめな水分摂取を心がけて下さい。総合病院に勤務しておりました際、外来の合間に緑茶でチビチビ喉を潤しておりましたら良かったのですが、用意し忘れて喉が渇いたままやりましたら、途端に体調悪化した記憶があります。緑茶カテキンに殺菌効果があると言われておりますが、水分補給と鼻の加湿の両方に役立っているように思います。
インフルエンザだけでなく、風邪の初期症状には葛根湯(かっこんとう)や麻黄湯(まおうとう)などの漢方薬も有用です。葛根湯は若干ピリピリしますが、麻黄湯はお子さんでも服用しやすい漢方薬です。西洋医学では体を温める薬剤は少ないのですが、感冒に使用する漢方薬は体を温めて病気を快方に向かわせる役目があります。「汗をかくと風邪が治る」というのは大まかに正解の様です。ただ、汗をものすごくかいた後には体が冷えてしまいます。発汗などで着衣が濡れてしまった場合は、速やかに着替えて体が冷えすぎないようにしてください。風邪が悪化してしまう危険性があります。
RSウイルス感染症、流行性角結膜炎、アデノウイルス咽頭炎も、流行が残っているようです。感染性胃腸炎も冷え込みとともに徐々に増えていますので、不特定多数の方が利用する施設にお寄りの際は、手洗いなどお気をつけ願います。

 忘年会のシーズンになりました。大切なお子さんがおられますので、保護者の方は大丈夫だとは思いますが、万が一同僚の方で飲酒運転をしそうな素振りがありましたら、どうぞ全力で制止して下さいますようお願い申し上げます。また、手を上げそうな人がいたら、そちらも全力で10秒間後ろから羽交い絞めにしてください。大抵7秒くらいで怒りは静まります。今まで積み上げて来た大切な物を、身近な人が失わない様願うばかりです。

 どうぞ皆様、良いお年をお迎え下さい。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
バックナンバー